「静岡で加速するオープンイノベーション」イベントレポートTECH BEAT in YAMAHA

2019年7月24~25日に開催されたビジネスマッチングイベント「TECH BEAT Shizuoka(テックビート静岡)」。首都圏を中心としたテクノロジースタートアップと静岡県内企業とのマッチングによるオープンイノベーションで、静岡県内産業を活性化することを目的とした「TECH BEAT Shizuoka」プロジェクトは、7月のイベント後も継続的に各所で展開されています。
「TECH BEAT in YAMAHA」はそのタイトルが表すように、「TECH BEAT Shizuoka」プロジェクトの一環としてヤマハ株式会社本社(静岡県浜松市)にて開催(11月21日)。日本を代表するマーケターのひとり、株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役の音部大輔氏とヤマハ株式会社のブランド戦略本部にてマーケティングを統括する大村寛子執行役員によるパネルディスカッションを皮切りに、静岡県内企業とスタートアップの先行協業事例発表、そしてスタートアップのライトニングトークが行われました。ナビゲーターは、「TECH BEAT Shizuoka」でプロデュースを担当する西村真里子氏(株式会社HEART CATCH 代表取締役)です。

——2日間で415件! 意思決定者とスタートアップによる商談が行われた

石田秀行氏|株式会社静岡銀行イノベーション推進室長

石田氏によるOpening Remarksでは「TECH BEAT Shizuoka」イベントの概要が説明されました。
・静岡県下の協賛企業34社、静岡県内全35市町村の後援のもと、3,300人以上の来場者がグランシップに集まった。
・2日間で415件の具体的な商談(名刺交換レベルはカウントせず)が開催された。うち事前に事務局側でアレンジ、セットアップした商談が328件。当日発生したものが87件。
・静岡県内企業からの商談参加者はCXOクラスの意思決定者が多かった。スタートアップ単体ではアクセスが難しい企業やレイヤーに直接アクセスできることが、スタートアップにとって有効的な機会創出につながったと好意的な感想が寄せられた。

石田氏 ベンチャー投資が増加する昨今、ベンチャー企業への投資額のデータによると、2009年に893億円だった投資額が2018年には4,481億円に増えているという事実もあります。その中でも、金融機関やVCを除いた事業会社からのベンチャー投資のみに限定すると、2009年に367億円であった投資額は、2018年に2,174億円へと増えています。 CVCの設立件数についても2009年には年間3社でしたが、2018年は年間16社が設立されているそうです。彼らの投資目的としては、新規事業の領域への種まき、既存事業の強化といった側面はもちろん、競合となりうるスタートアップの取り込みという側面もあります。こういったデータに裏付けされるように、「TECH BEAT Shizuoka」のプロジェクト及びイベントは、静岡県内企業にとって非常に関心のある分野だったのであろうと個人的に体感しました。

石田氏からは「TECH BEAT Shizuoka」プロジェクトの継続と、2020年3月に農業分野でのマッチングイベントの開催(@AOI-PARC)、また7月には2回目の大規模マッチングイベントの開催が説明されました。

——7月の商談から、課題解決型の協業がスタートしている

いくら華やかなイベントを開催したとしても、そこにビジネスの種が生まれなければ、そのプロジェクトは成功とは言えません。「TECH BEAT in YAMAHA」の後半では、7月の商談に端を発して、具体的な施策ベースまで取り組みが進んでいる事例を、当事者が紹介しました。詳細は改めてレポートする予定です。

エネジン株式会社 杉本 勝美氏×株式会社スタディスト 塚本 剛之氏
★社内マニュアルの形骸化・合理化の課題を、株式会社スタディストの提供するマニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)」で解決することを目論んでいる

株式会社江崎新聞店 杉山 明秀氏×株式会社スマートドライブ 齋藤 正佳氏
★配送経路の効率化・配達員の運転の質向上を株式会社スマートドライブの提供する「SmartDrive Fleet」で解決することを目論んでいる

株式会社鳥居製缶×SATORI株式会社の取り組み|SATORI株式会社 石坂 拓也氏
★自社サイトを活用した製品PRと、サイト来訪者に対する適切なコミュニケーション・営業の効率化の課題を、マーケティングオートメーションツール「SATORI(サトリ)」を使い解決することを目論んでいる

——9社のスタートアップが浜松に

YAMAHAの多岐に渡る事業におけるイノベーションと価値創造を念頭に、7月のイベントとは異なるスタートアップも参加した今回のイベント。9社のスタートアップからは熱のこもったライトニングトークが行われました。

大野 耕平氏|ブライトコーブ株式会社
主なテクノロジー:インターネット上での動画配信を可能にするプラットフォーム「Video Cloud」

川村 北斗氏|株式会社NOIAB
主なテクノロジー:プロからチャットで楽器を習えるアプリ「NOIAB」

施井 泰平氏|スタートバーン株式会社
主なテクノロジー:ブロックチェーンを活用したアート業界の信用担保と更なる発展を支える流通・評価のためのインフラを提供

細木 豪氏|株式会社ジョリーグッド
主なテクノロジー:VRを活用した研修ソリューション

高橋 知久氏|株式会社ヤプリ
主なテクノロジー:アプリ開発クラウド「Yappli」

清水 俊介氏|株式会社ZENKIGEN
主なテクノロジー:Web面接ツール「HARUTAKA」

深川 実生氏|株式会社Geolocation Technology
主なテクノロジー:IPアドレスから様々な情報を判定する技術「IP Geolocation」

三井 あゆみ氏|AI inside株式会社
主なテクノロジー:高い読み取り精度と分かりやすさを有するAI-OCR「DX-Suite」

皆川 拓也氏|CB Cloud株式会社
主なテクノロジー:フリーランスドライバーと荷主を即時に繋ぐ配送マッチングプラットフォームアプリ「PickGo」

セッション終了後は懇親会も開催。YAMAHAからは各事業担当者が参加し、スタートアップとの意見交換及びマッチングが和やかな雰囲気のなか行われました。この機会から新しいイノベーションの種がスピード感を持って花開いていくことが期待されます。

文:矢田貴裕 (Arm Treasure Data)

構成/編集:細越一平 (Story Design house)

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