イベントレポート|東京スタートアップオリエンテーション Vol.1

7月24日、25日にグランシップにて開催される「TECH BEAT Shizuoka」。このイベントは、テクノロジースタートアップ企業と静岡県内企業にマッチングする場を提供し、静岡県に新しい価値と既存ビジネスを革新していくきっかけを提供することを目的としています。「TECH BEAT Shizuoka」開催に先立ち、スタートアップ企業向けにイベントの趣旨や概要について説明を行うオリエンテーションを開催(4月8日、TECH PLAY SHIBUYA)。静岡県庁から静岡県経済産業部 部長代理 三須 敏郎氏、株式会社静岡銀行 イノベーション推進室主任調査役 楢崎 広生氏が登壇しました。その様子をお届けします。会の冒頭ではプロデューサーの西村 真里子氏より、「TECH BEAT Shizuoka」の概要が伝えられました。

静岡県は可能性に溢れている

静岡県 経済産業部 部長代理 三須敏郎氏

静岡県は非常に恵まれた地域です。東京や名古屋といった大都市圏へのアクセスが良く、また富士の麓に位置することから、景観はもちろん、その富士の雪解け水を起点に良質で豊富な水源が存在します。工場立地件数は2017年全国第1位であり、人口規模が全国10位でありながら製造品等出荷額が愛知・神奈川・大阪に続き全国4位と、ものづくり県としての地位を確固たるものとしています。また、製造業だけでなく全国トップクラスの産業規模を持つ業種が多数あり、第1次産業から第3次産業まで多様な産業が存在することが特徴です。

静岡県では次世代産業の創出に力を入れています。地域ごとの特色を活かし、西部地区では光・電子技術を活用し、産業競争力の強化を目指す「フォトンバレープロジェクト」を、中部地区では食品・化粧品関連事業の集積を図る「フーズサイエンスヒルズプロジェクト」を、東部地区では先端農業推進の拠点としての「AOI−PARC」や、医療・健康関連産業の集積を図る「ファルマバレープロジェクト」を推進しています。こういった成長分野の各種プロジェクトに関わる企業とスタートアップ企業の協業により、全く新しい価値創造の可能性に期待します。

また静岡県では、先端技術の社会実装に向けた実証フィールドの形成を目的として「モビリティ」「エネルギー」「ヘルスケア」「農業」の4つの分野における県内での実証を推奨していきます。特に「モビリティ」の分野においては、次世代モビリティ社会の実現に向け、既に自動運転の実証実験を開始しています。それぞれの分野において、スタートアップ企業との連携により更なるイノベーションが生まれることを楽しみにしています。

静岡県としては、今回のマッチングイベントのゴールとして「協業」と「サテライト」の両面を期待しています。入り口は今回のイベントをきっかけとした「協業」であると思いますが、ここで生まれた協業や実証実験を基盤とし、将来的にスタートアップ企業の皆様が静岡県を「サテライト」として選んでいただける可能性も大いに期待しています。

静岡発オープンイノベーションにつながるイベントに

静岡銀行 イノベーション推進室 主任調査役 楢崎広生氏

静岡県内の企業視点として、静岡県内企業のイノベーション促進のためにはスタートアップ企業の力が必要であると考えています。スタートアップ企業の、世界でNo.1を目指す熱量、そして斬新なアイデアや発想が、静岡県内企業の潜在能力を高めるきっかけになると思っています。

一方でスタートアップ企業が私たち銀行に求めているのは、資金調達の手段としての立ち位置ではなく、「銀行にとってスタートアップ企業はどう映っているか」という視点だということも、スタートアップ企業と面談を重ねる中で感じています。今回のプロジェクトの中では、そういったスタートアップ企業のニーズに応えることもできるかと思います。また、静岡県内の企業の顔を思い浮かべながらマッチングの推進を行っていくことで、より具体的で、効率的かつ密度の高いマッチングに結びつけられると考えています。

静岡県は横に長く、本州のちょうど真ん中あたりに位置しています。周囲には海もあり山もある、多くの要素を持ったまさに「マーケティングの県」です。静岡県で実証実験を行い成功した事例は、全国でも成功の可能性が高いと言われています。今回のマッチングでは実証の観点も織り交ぜながら、静岡県内企業とスタートアップ企業の協業へつなげていってもらいたいと考えています。

スタートアップ企業によるライトニングトークも

今回のオリエンテーションでは、スタートアップ企業側から買い物代行サービス「Twidy」、スマートティーポットの「teplo」、VRで医療業界の問題解決に取り組む「Holoeyes」、自動車交通・移動の進化を後押しすることを目的とした「スマートドライブ」、給料システムにFintechの概念を導入する「Doreming」、タクシー会社に配車システムを提供する「電脳交通」、水循環モジュールの「WOTA」が登壇し、ライトニングトークを行いました。交流会では、県からの参加者との情報交換も頻繁に行われ、早くも「TECH BEAT Shizuoka」への熱の高まりが感じられました。

文:矢田貴裕 (Arm Treasure Data)

構成/編集:細越一平 (Story Design house)

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