エンターキーで、ナビゲーションをスキップして本文へ移動します

レポート & コラム

Report & Column

TECH BEAT Shizuoka × 沼津高専 コラボ出張授業「社会と産業」レポート

TECH BEAT Shizuoka × 沼津高専 コラボ出張授業「社会と産業」レポート

TECH BEAT Shizuoka では、これまで実施してきた県内企業とスタートアップのビジネスマッチングに加えて、静岡の産業・地域社会を担う未来世代に先端技術に親しんでもらう機会を設けたり、新しいことや自分の興味・関心のある分野に積極的に挑戦するマインド、アントレプレナーシップを育んだりするための取組に力を入れています。

オープンイノベーションとチャレンジ精神~未来の技術者としての挑戦~

2月13日(木)、進学や就職を間近に迎える沼津工業高等専門学校(以下「沼津高専」)の5年生・約200名を対象に「社会と産業」の授業を実施しました。

登壇者

  • ファインディ株式会社 代表取締役 山田 裕一朗 氏
  • Carbide Ventures General Partner(TECH BEAT Shizuoka プロデューサー) 堀内 健后 氏

変化が激しく将来の予測が困難な「VUCA」の時代。70年程度あるとされていたプロダクトのライフサイクルは、15年程度まで短縮されたと言われ、企業は次々に新たな環境に適した製品やサービスを生み出していかなければならない環境に置かれています。また近年、転職が当たり前、という考え方が日本でもだいぶ浸透してきましたが、「大企業に就職すれば安泰」といった一般的な勝ち筋がない中で社会に出る若者は、自分のキャリアの方向性を自ら選んで進んでいく意識が必要です。

こうした若者を取り巻く環境を踏まえ、堀内氏からは、良質な課題を見つけ、どのような形で課題を解消するかを考え続けること、新しいことにも積極的に挑戦していくことが、自身の成長、ひいては会社全体の成長に極めて重要である、というメッセージを伝えていただきました。

変化が激しいのが当たり前の時代に学生生活を送る皆さんの中には、社会の変化をあまり意識したことがない、という方もいたのではないかと思いますが、改めてキャリアを自分で切り拓く必要性や危機感を理解したためか、メモを取ってくれている方が沢山いました。

※VUCA…Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字。社会やビジネスにおいて、将来の予測が困難な状況や、想定外のことが起きる状況を指す。

山田氏は、新卒で大企業に就職後、海外での新規事業立ち上げなどを通じて沢山失敗をしたそうです。その後、自らエンジニア人材向けマッチングプラットフォームの事業を立ち上げて成功を収めますが、失敗から真摯に学び、失敗を恐れずに挑戦し続けることで、社会の課題を自分なりのやり方で解決していくことの醍醐味を語っていただきました。

山田氏のお話の中で印象的だったのが、「失敗からの学びとして、自分が実際に事業の推進に関わるよりも、実働部分は事業内容を考えるのが得意な信頼できる人に任せたほうがよい、ということに気づいたので、事業運営は仲間に任せている。良い仲間を沢山見つけておくことが、自分の財産になる。」というエピソードです。

自分のやりたいことを実現するためには、何でも一人でできなければ…という考えに囚われてしまうかもしれませんが、自分の想いに共感し、一緒に課題に取り組んでくれる仲間を作って皆で取り組めば良い、という考え方は、企業が新しいことに挑戦する際にも通じる、まさにTECH BEAT Shizuokaが伝えたい「オープンイノベーション」そのものです。

講義の後半には、「ただ聞いているだけの講義にしたくない」という登壇者の意向で、「静岡をよりよくするには?」というテーマをもとに静岡の課題を挙げ、その課題をどのように解決するのかを周辺の人同士で話し合い、意見を発表してもらいました。

学生からは、「みかんやお茶といった地場産品の収益力を高めるために、六次産業化を進める」「災害時に活用するためのドローンを地域で導入し、平時には農薬散布用に使う」といったアイデアや、「学校までのアクセスの不便さを解消したい」といった身近な課題まで、様々な意見が挙がりました。これを受けて堀内氏からは、設定した課題をもとにどのように解決方法を探っていくのか、実際の事例や掘り下げ方を教えていただきました。

90分間の授業の中で学生たちが見せてくれた真剣な眼差しや発言から、静岡の明るい未来への期待が感じられる授業でした。今回の取組を通じて、学生の皆さんが自分で自分の未来を切り拓くためにどういった意識や行動が必要なのかを学び、一歩を踏み出すためのきっかけとなることを、心から願っています。

TECH BEAT Shizuoka では、静岡から社会を変えていきたい、という志のある企業や未来世代を、これからも応援していきます!

講義の様子1

講義の様子2