TECH BEAT Shizuoka 2025 レポート(day1 – 2025/7/24)


開催日 | 2025年7月24日(木)25日(金)26日(土) |
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開催地 | 静岡市 GRANSHIP 静岡県コンベンションアーツセンター |
出展者 |
国内外スタートアップ178社 ほか、県内大学、スポーツチーム、静岡県・市町等 ブース総数200超 |
スポンサー企業 | 108社 |
3日間延べ来場者 | 10,125人 |
国内外からスタートアップが集結し、県外からの注目も高まるオープンイノベーションの祭典「TECH BEAT Shizuoka 2025」。
11回目の開催を迎える今回は、来場者の皆様にそれぞれの興味・関心に応じて会場を楽しんでいただけるよう、入力した課題に応じておすすめ出展スタートアップを紹介してくれるAIマッチング機能やデジタルスタンプラリー機能などを備えたTECH BEAT Shizuoka専用アプリを導入。また、基調講演・セッションは、「AI活用」「製造業」「地域づくり」など、各分野で活躍されている有識者と、県内企業の経営者等関係者、スタートアップ関係者との掛け合いから生まれる刺激的・個性的な内容が注目を集めました。
さらに、昨年度に引き続き、静岡の未来を担う子どもや学生など一般の来場者も楽しめる体験コンテンツを用意。会場では、ファミリーや高校生、学生ボランティアの大学生などの姿も多く見ることができました。
3日間の会期中、昨年実績を大幅に上回る10,125人に来場いただき、盛況を極めたTECH BEAT Shizuoka 2025の開催日別ハイライトをご紹介します。
Day1 / 2024年7月25日(木)

オープニング
開会直前、ステージの大画面に「AI鈴木康友知事」が登場し、日本語や英語、韓国語、中国語を交えた本物と見紛うようなスピーチを披露し、TECH BEAT Shizuoka 2025の幕が上がります。
開会に当たり、TECH BEAT Shizuoka実行委員会の中西勝則委員長から、「国内外の出展スタートアップや協賛企業、来場者の皆様など、関わってくださる方々が増え、“7月は静岡に集合しよう”という合言葉が徐々に浸透してきた。本イベントが、皆様に素晴らしい出会いや学びをもたらす場となるよう願っている」という感謝と期待の言葉をお伝えしました。また、平木省静岡県副知事からは、「製造業や観光・サービス業、農林水産業など、幅広い産業が根付く静岡からさまざまな共創・アイデアが生まれ、日本中に広がって欲しい。テクノロジーは世界の幸せのためにある」という熱いメッセージが寄せられました。




基調講演・セッション:1階ステージINNOVATION GATE
オープニング直後の「AI時代の羅針盤:変化の時代を生き抜く経営者の思考法」には、株式会社マネーフォワードの辻社長が登場。加速度的に進化するAIを得体の知れないものとして忌避するのではなく、人手不足解消やコスト削減、人が働きやすい環境を整えるために必要なものととらえ、ユーザー目線でより良いサービスを提供するために活用している、というお話が印象的でした。

続く「ヤマハのイノベーション~挑戦の軌跡と共創による未来創造~」では、静岡のプロダクトを語る上で欠かせない「ふたつのYAMAHA」の対話から、「余暇を充実させる」を起点に両社でさまざまな事業が生まれてきたこと、事業創造の根底に共通のDNAがあることを感じることができました。

また、午後からの「AIロボティクスが日本の水産業を変革する ~静岡から始まる次章~」では、AI・画像認識などの最新技術を水産業に活用したスタートアップの事例や、水産食品加工大手から見た水産資源の利用・持続可能な製品提供への課題から、水産業とAI・ロボティクスに携わる登壇者が、先端技術を活用してどのように課題に向き合っていけば良いのかを共に考えました。
「ON-SITE Xがつなぐ共創モデル~静岡県発、建設業から宿泊業へ~」は、TECH BEAT Shizuoka恒例の人気セッション。ON-SITE Xの中核を担う加和太建設、木内建設、須山建設による活動紹介・代表対談に加え、ON-SITE Xに刺激を受けた県内ホテル・旅館業3社の代表が共通の課題解決のために立ち上げた「宿クロス」の取組を紹介いただきました。

「製造DX先進県Shizuoka!未来を共に作る製造業/アトツギ/スタートアップの挑戦」では、県内メーカー、DXの支援者であるスタートアップから、「製造業界のDXを進めるためには、現場を忘れないことが最重要!」という共通認識が示され、会場に駆け付けた鈴木康友県知事がDXや企業変革に取り組む事業者に熱いエールを送る一幕もありました。

1日目のイベントを締めくくる基調講演、「スズキが目指す“生活に密着したインフラモビリティ”とスタートアップとの共創」では、スズキ株式会社の鈴木俊宏代表取締役社長から、スズキが大切にしている「小・少・軽・短・美」の理念や、エネルギー事業をはじめとする新事業への挑戦、スタートアップを対等なパートナーとして捉えて共創を進める姿勢について語っていただきました。
「急成長だけを正解とせず、歩みは遅くとも着実に、パートナーや地域とともに大きく・強くなろう」という呼びかけに、会場に足を運んだ多くの企業の関係者が心を動かされた様子でした。

基調講演・セッション:11階ステージ FUTURE DRIVE
「サステナブルな地域づくりに必要なこと」では、持続可能な地域づくりのために金融が果たす役割、人の協調・交流によって生まれる創造力について論じた後、観客を巻き込んで「静岡の持つ資源を活かすにはどうしたらよいか」を一緒に考えました。セッションの終了後には、意見を交わした来場者同士で名刺交換する光景が見られ、交流が生まれるセミナーとなりました。

続く「日本酒×テクノロジーが切り拓く未来 ~伝統産業とイノベーションの交差点~」では、伝統産業である「日本酒」の価値をブロックチェーン技術によって資産化して価値を高める静岡発の新たな挑戦について、紹介いただきました。

多くの来場者が詰めかけた「世界の最新ビジネストレンドと今後の潮流」。アメリカ・シリコンバレー、アジア、インド、アフリカの第一線で活躍する登壇者から、各地域のビジネストレンドや、世界経済の中で生き残るために国内需要だけに頼らず世界に市場を拡大し、スタートアップを活用していくべきだ、といった提言をいただきました。

また、JETRO浜松による「グローバルに活躍する静岡スタートアップの挑戦」では、県内スタートアップ代表者が海外展開における実体験や課題、成功のポイントを解説。世界に挑戦する姿勢に大きな刺激をもらえるセッションでした。

「Web3で静岡をアップデートせよ!~IEYAS発足で動き出す地域の未来戦略」では、登壇された金融、フィンテック、ブロックチェーンの各界スペシャリストにより、Web3の可能性と課題、そして静岡発Web3コンソーシアム「IEYAS」による世界戦略について活発に意見が交わされました。

出展ブース・体験コンテンツ
過去最多の178社のスタートアップ・ベンチャーキャピタルが参加した今回のイベントでは、1階の大ホール内だけでなく、1階中ホール前や3階、6階まで、広範囲にわたりさまざまなブースが展開されました。




また、協賛・県内企業の推薦スタートアップや自社事業の紹介ブース、大学、次世代産業プロジェクトなど、さまざまな出展者が会場に彩りを添え、VRゴーグルを使った映像体験や、災害時にも役立つ水循環型の手洗いスタンド、AI画像解析によるマグロの検査機械など、スタートアップの製品を実際に展示・体験できるコーナーには、子ども連れの来場者の姿も見ることができました。
多くの来場者に足を運んでいただいたTECH BEAT Shizuoka 2025初日のイベント終了後には、協賛企業や出展スタートアップの交流会を開催しました。交流会開催に先立ち、第一部のSPAC上演作品「イナバとナバホの白兎」の見どころを短劇として紹介いただいた静岡県立清水南高等学校演劇専攻の皆さんの生き生きとした演技に、会場から大きな拍手が贈られました。第一部では静岡の「舞台芸術」、第二部では「食」を体感する交流会に、300人もの方に参加いただき、会場は夜まで盛り上がりを見せていました。


