TECH BEAT Shizuoka 2025 レポート(day3 – 2025/7/26)

Day3 / 2025年7月26日(土)
イベント最終日の7月26日(土)。休日ということもあり、この日はお子さま連れのご家族や高校生など、静岡の未来を担う世代で大いに賑わいました。
子どもも大人も楽しめる!体験コンテンツ
TECH BEAT Shizuokaでは、昨年度から静岡の未来を担う子ども・若者世代が先端技術に親しみ、興味のあること・新しいことに挑戦したいという気持ちを持ってもらえるようなきっかけを作りたい、という想いから、会場にて、先端技術やスタートアップの製品を体験できる企画を展開しました。
1階には、昨年度も好評を博した半球型ドームスクリーン「WONDER VISION」の臨場感あふれる映像に動く座席が加わり、まるで本当に空中飛行しているような感覚で映像を楽しむことができるコーナーが登場。eモータースポーツのプロチーム遠州ハママツモータースとコラボした半球型スクリーンを使ったカーレース体験とあわせて行列が絶えない人気コーナーとなり、子どもだけでなく大人も目を輝かせて体験を楽しんでいる姿が印象的でした。


また、そのお隣では、トヨタ・ホンダ・スズキの有志が集まり、3社にゆかりが深い静岡で地域課題の解決に取り組む「しずモビプロジェクト」による、好きな部品を選んで作れるゴーカートの組立から試乗、静岡の道をバーチャル運転体験までを一貫して楽しめる小学生向けプログラム「つくって乗って!ものづくり体験」が開催されました。製造業が盛んな静岡県からの若者の人口流出という地域課題をものづくり文化継承の危機ととらえ、子どもたちにものづくりの楽しさ・運転の楽しさを伝え、次世代を育てていこう、という自動車メーカーの想いは、きっと真剣な表情で車づくりをしていた子どもたちに伝わったのではないかと思います。

6階では、子どもの夢や未来を応援するプログラミングコンテスト「ドコモ未来ラボ」、デジタルアートコンクール「ドコモ未来ミュージアム」として、小学生向けの出張プログラミング・デジタルアート制作体験が開催されました。これからの時代に必要な知識・スキルとして学校での学習が必修化されたプログラミングを、手軽に、楽しく学べる機会とあって、大勢の親子連れの方に足を運んでいただきました。

お絵描きや砂遊びのような「昔ながらの遊び」を、プロジェクションマッピングや画像解析などの最新デジタル技術でアップデートした「リトルプラネット」。今年は、自分でデザインした乗り物の絵を取り込んで画面上でレースができる「スケッチレーシング」の材料に粘土が登場しました。画用紙の上に粘土で作った自分だけの乗り物や動物が立体化する様子には、子どもと一緒に体験した大人の来場者も興味津々の様子でした。



体験コンテンツの運営に当たっては、県内大学・専門学校生の学生ボランティアの皆さんに力を貸していただきました。学生の皆さんにとっても、普段の生活では接することのない幅広い年齢・職業の方とお話ができ、非常に学び・刺激が多い経験となったようです。
また、会場内に展示された企業紹介や、スタートアップの製品体験コーナーに興味を持ち、立ち寄ってくれる家族連れの方の姿を見ることもできました。


基調講演・セッション:1階ステージINNOVATION GATE
1つめのセッション「日本の未来を拓く「アトツギベンチャー」」では、新しい領域に挑戦しているアトツギを支援し、「挑戦する奴が格好いい」という機運を醸成していくことが国内企業の99%が中小企業、うち50%が同族経営である日本の産業活性化に繋がるのではないか、といったコメントが飛び交いました。アトツギとして新規事業に取り組む登壇者のお2人とも、特定の地域や仲間内に閉じこもらずに様々な人や領域と触れ合う試みをしており、オープンイノベーションの大切さを改めて感じました。

続いての「まぜなきゃ危険!静岡発・一次産業イノベーションの最前線 ──春華堂、JETRO、アート、そしてスタートアップが交差する時」では、地域の伝統産業継承のために立ち上がった「和栗協議会」の取り組みを紹介いただきました。テクノロジーと既存の産業や課題、様々なプレイヤーを大胆に混ぜ合わせると、これまで考えが及ばなかったようなアイデアが生まれる、という内容を体現するかのような、多様な顔ぶれでの楽しいセッションでした。

午後の講演「日本の若き挑戦者に伝えたいこと」は、静岡から世界に飛び出し活躍されている池野先生による、希望と情熱に満ちたスピーチ。世界に先駆けて人口減少や高齢化などの課題に直面する日本の地方で、世界に繋がる課題に気づいて取り組むことで、イノベーション創出のチャンスを先取りし、「あなた自身が未来をつくる人になろう」という激励の言葉に、多くの来場者が聞き入っていました。

続く「TECH BEAT Shizuoka 2025 挑戦者ピッチチャレンジ」は、静岡県内のスタートアップ支援拠点・大学に推薦いただいた挑戦者から、静岡を「Update」する新規事業アイデア、現在挑戦していること、突き破りたい壁などを発表・共有いただきました。挑戦者を応援する来場者の拍手、ピッチを受け止めたコメンテーターの激励やアドバイスが、会場を大いに盛り上げてくれました。

「映像が地域を未来に運ぶ──LIFE LOG BOXがひらく映像×テクノロジー×地方創生」。地域の文化や魅力を伝え、残していく手法として大きな可能性を秘めた映像を“資産”として管理、流通させ、クリエイターの経済的自立を目指す次世代動画プラットフォームなど、長年、映像やクリエイティブの文化で活躍されてきた別所氏の新たな試みに、ぜひ、注目していただきたいと思います。

3日間を締めくくる最終プログラム「Z世代が動く!地方創生プロジェクトのリアル ~GOTEMBA MIRAI PROJECT~」では、自然環境に恵まれた御殿場ならではの体験やワークショップを通じて、楽しみながらアントレプレナーシップを身につける御殿場市の高校生向け人材育成プロジェクトの様子を、高校生を交えて語っていただきました。自ら地元を盛り上げる方法を考え、仲間と一緒にゴールを目指して実行する経験は、高校生にとって大きな財産となると思います。地域の若い世代による地域活性化に大きな期待を抱かずにはいられない、素敵なセッションでした。

クロージング
3日間にわたって開催したTECH BEAT Shizuoka 2025。ビジネス目的だけでなく、ご家族や学生など、地域の幅広い年代・属性の皆様に足を運んでいただいた結果、来場者数は延べ10,125人を記録しました。セッション終了後のステージでは、TECH BEAT Shizuoka プロデューサーを務める西村氏、堀内氏が3日間のイベントを振り返り、次年度企画の更なる飛躍に向けて、決意を新たにしました。最後には、ステージ上に収まりきらないほどたくさんの出展者の皆様と一緒に、記念撮影を行いました。
出展企業・団体の皆様、協賛企業の皆様、来場者の皆様が、TECH BEAT Shizuokaを通じて様々な人や先端技術と出会い、自分の興味関心や課題の核を認識しながら、新たな一歩を踏み出せるような機会を作るため、これからもさらなる高みを目指してまいります。3日間、ありがとうございました!

