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レポート & コラム

Report & Column

TECH BEAT Shizuoka 2024 レポート(3day – 2024/7/27)

TECH BEAT Shizuoka 2024 レポート(3day – 2024/7/27)

2024年7月27日(土)

TECH BEAT Shizuoka 2024は、土曜日に最終日を迎えました。これまでの平日開催に加えて今回初めて設けた「ファミリーデー」であるこの日、10時の開場前から夏休みを迎えた子どもを連れた来場者の姿が見られ、体験ブースには会場と同時に長い列ができました。

3日間の会期を通じて実施していた体験ブースのほか、土曜日には、プロスポーツチームによるスポーツ体験コーナー、廃材を使ったワークショップ、静岡舞台芸術劇場(SPAC)の衣装体験、常葉大学・NEXCO中日本のVRサイクリング体験など、ファミリー向け体験コーナーを増設。会場の至る所で静岡の未来を担う子ども達が先端技術に触れ、好奇心で目を輝かせる姿が印象的でした。

また、会期中延べ84名の県内大学生、大学院生、専門学校生が学生ボランティアとして会場受付や体験コーナーの運営補助、情報発信などに協力してくれました。「様々な先端技術を知り、普段はあまり交流がないスタートアップや県内企業で働く社会人と触れ合うことができ、良い経験になった」という声が寄せられるなど、参加学生にとっても貴重な学びや刺激を得る機会となったようです。

最初のセッション「トップティーチャーが語る、AI時代の子どもの育て方とゲームの意義」では、立命館小学校 教諭 正頭英和氏から、社会が急激に変化する中でも自分の興味や関心をもとに学べるこれからの時代、子どもに様々な体験をさせてあげることが将来の選択肢を広げる手助けになる、というお話のほか、子どもたちが自ら学びたいと思える仕掛けとしてのゲームの有用性などを説明いただきました。
正頭氏が企画に携わる「桃太郎電鉄 教育版」の体験ワークショップは、会期の3日間を通じて子どもから大人まで多くの方々に遊びと学びを繋ぐゲームを体験していただく人気コーナーとなりました。

予測不能な未来に備え、親が子どもにしてあげられることは「体験」(正頭氏)
ナイアンティック代表取締役社長 村井説人氏

2つ目のセッションには、世界中で大流行したゲームアプリ「Pokémon GO(ポケモンGO)」の共同開発などを手掛ける株式会社ナイアンティック代表取締役社長の村井説人氏が登壇。
「ナイアンティックが考えるインターネットの未来」と題して、XR(クロスリアリティ)などの先端技術を活用してデジタルの世界と現実世界を融合させ、人々に運動や交流を促す様々なサービスを提供し日常生活をより豊かにする試みを紹介いただきました。

静岡出身の起業家セッションのイメージ

続く「リアルとバーチャルが重なりあうCITYを創る~XR世代に向けた静岡の挑戦~」では、静岡理工科大学特命教授の中村啓氏、静岡県デジタル戦略局参与の杉本直也氏が加わり、静岡県の三次元点群データを取得・蓄積し、オープンデータ化する「VIRTUAL SHIZUOKA」プロジェクトなどを交え、どのように社会でXR技術の活用事例を生み出していけるか、今後の展望や、産学官が連携して技術の活用や人材育成に取り組むことの大切さについて、お話いただきました。

午後の「静岡出身の起業家が語る!イノベーターはこうしてつくられた」では、起業をしようと思ったきっかけや起業に当たって苦労したことなど、当事者ならではの体験談を親しみやすい雰囲気で共有いただきました。

また、「ファクハク・静岡工場博覧会」に携わる製造業2社に登壇いただいた「オープンファクトリー(産業観光)で製造業に新しい風を」では、「住民に工場を公開することが、ものづくりや地域の産業の魅力を伝えるだけでなく、労働環境の改善や社員のモチベーション向上にも繋がった」という言葉が印象的でした。

3日間にわたるメインステージの最終セッションを務めたのは、地元静岡の中学生。「中学生が挑む宇宙食開発!『チームゆら』の挑戦」と題し、宇宙食開発に挑む増田結桜さんがリーダーを務める「チームゆら」の活動と挑戦について紹介いただきました。
スタートアップが、中学生でありながら社会人や大学生を自分の夢に巻き込み挑戦し続ける増田さんの姿勢に、会場は大きな拍手で包まれました。

チームゆらの増田さんと小林氏
「チームゆら」リーダーの増田さん(右)とサポート役の小林氏(左)
本イベントの総括、次世代育成の重要性について語るプロデューサーの西村氏(右)、堀内氏(中央)とアンバサダーの大村氏(左)
出展者の記念撮影により、3日間にわたるイベントは無事終幕した

7月25日(木)~27日(土)の3日間にわたり開催したTECH BEAT Shizuoka 2024は、これまで以上に多くの出展者・来場者を迎え、様々な分野の第一線で活躍する有識者によるセッションや会場に集うスタートアップとの交流を通じて先端技術への理解を深め、静岡の産業界の共創・変革・新たな挑戦を後押しするイベントとなりました。
また、現在、静岡の産業界を担う来場者だけでなく、子ども・学生などに先端技術に触れていただくことを目指した今回の企画が、静岡の未来を担う世代の好奇心や学びの発火点となり、先端技術を学びたい、技術を活用して社会や生活をより良くしたい、という気持ちを育てることに繋がっていけば幸いです。

例年に増して盛り上がりをみせたTECH BEAT Shizuoka 2024を通じて、静岡の企業とスタートアップとの共創の輪が広がり、静岡がさらに発展していく姿が垣間見えた気がします。
これからもTECH BEAT Shizuokaの取組が静岡の発展の一助となることを願いつつ、この3日間を振り返りました。協賛企業・出展者・来場者そして関係者の皆様、ありがとうございました。来年もぜひご期待ください!